タレント化したといわれるアナウンサーの世界でもＮＨＫは少々事情が異なるようです。
ＮＨＫのアナウンサーが流行りのギャグを交えたり若者言葉を発したりすると、すぐに苦情の電話が鳴るといいます。不快感を与えるようなものでなければ、いくらＮＨＫといえども大目に見ても良いのではないかと個人的には思うのですが、公共放送にある種の硬さを求める人は少なくないのでしょう。まあ、無味乾燥であっさりとしているのも、考えようによってはこの時代、唯一無二の魅力になるのかもしれませんが・・・

ただ、そんなＮＨＫだけに私はこの年の瀬、密かに注目していることがあります。 それは「今年の新語・流行語大賞」が決まったという話題をニュースで彼らがどう伝えるかです。

ここ数年、大賞には日常会話で普通に使えるような言葉が選ばれる傾向があります。昨年の「じぇじぇ」や「今でしょ」はまさにその典型でした。
その考え方でいくと今年、大賞の最右翼なのが女性お笑いコンビ、日本エレキテル連合の「ダメよ〜、ダメダメ」です。コントの掛け合いでは、この決め文句はきわめて色っぽく繰り出されていますが、大賞になった場合、ＮＨＫのアナウンサーはどう発音するのでしょうか。

普段のＮＨＫニュースのように淡々と読みこなせばまったく別のフレーズに聞こえてしまいます。だからといってなまめかしくやれば「いいかげんにしろ」などと言われかねません。放送現場のジレンマがわかるだけに、私は大きな関心を持って見守っているわけです。