DAIDO INFORMATION
表紙とコラム Vol.94
片山津温泉 足の湯 えんがわ(加賀市)

バンクーバー五輪の中継や記者会見の場で何度か「神様」という言葉を耳にしました。 テレビの情報番組でも、惜しくもメダルを逃した上村愛子選手に「モーグルの神様がいるとしたら、どんな言葉をかけたいですか」などと問い掛けたアナウンサーがいました。 おそらく以前のインタビューで彼女が「スキーの神様が降りてきた」というようなコメントを出しているのを受けての質問だったのでしょうが、少し唐突に感じました。

スポーツ選手はよく「神様」という言葉を口にします。 元メジャーリーガーの桑田真澄氏も過去に「すごいボールや本塁打は神様が導いてくれたのではないかと思うことがある」などと語っています。 それはきっと高い志を持って肉体を磨き抜いた人だけが到達できる境地なのでしょう。

けれども一般の人間が「神様」を持ち出すと、そのニュアンスはかなり変わってきます。 まるで運を天に任せたサプライズだけを期待しているようで、その軽薄さを私は好きになれません。 トップアスリートの栄光はあくまでも本人の努力によって輝いたもので、それは運良く宝くじが当たったなどという次元の話ではないのです。

あまりメディアが「神様」を連発すると、何の精進もせず「神頼み」ばかりする人間が増えるのではないかと私はひそかに気をもんでいます。

片山津温泉 足の湯 えんがわ(加賀市)
加賀温泉郷の片山津温泉にある足湯。温泉街の中心にある砂走(すなはせ)公園内にあり、誰でも気軽に利用できます。 公園内には、源泉を利用したこの足湯のほか、ウッドデッキや芝生広場、大小の池もあります。温泉街の散策のついでに是非ご利用ください。

<<前のコラム 次のコラム>>

戻る