DAIDO INFORMATION
表紙とコラム Vol.62
白山遠景(白山市)

子供の頃は頻繁に見かけたのに今はすっかり目にしなくなってしまったという昆虫が何種かいますが、その代表格はホタルでしょう。
最近は町おこしの一環としてホタルの保護活動に力を入れている自治体も多いようですが、あの緑黄色の光跡をあちこちで見られるようにするには人間側の勝手な開発や行動をある程度規制する必要もありそうです。

ところでそんなホタルの発光を野山に入って眺めることを「ホタル狩り」といいますが、近頃はこの言葉をあまり耳にしなくなりました。代わってよく使われるのが「ホタル観賞」という言い回し・・・先日も旅行雑誌をめくっていると「ホタル観賞の旅に出よう」などというコピーが出ていました。

何かと物騒な時代で「○○狩り」などという表現が敬遠されるのかもしれませんが、本来「狩り」には「捕まえる」や「追い立てる」などのほかに「眺める」という意味も含まれています。「紅葉狩り」などが良い例で、実はなかなか風情のある日本語なのです。
昔のようにいたるところでホタルが群舞していれば、味気ない言い換えは行われなかったかもしれません。

様々な取り組みが実ってホタルが町に戻ってきたら「ホタル狩り」という言葉をぜひ復活させて欲しいと思います。

白山遠景(白山市)
白山は、石川、福井、岐阜の3県にまたがる休火山です。標高2702mは北陸地方では最高でこれより西には2000mを越える山がありません。 白山は富士山、立山とともに日本三名山(三霊山)になっています。 白山の山頂付近には加賀国の一宮、白山ひめ神社の奥宮があります。

<<前のコラム 次のコラム>>

戻る