この夏、印象に残った言葉がありました。
「最後に泣きたくなかった・・」
これは夏の高校野球で優勝候補とされながら3回戦で姿を消した東北高校のエース、ダルビッシュ投手の敗戦の弁で、彼はこの言葉どおりさわやかな笑顔を残して甲子園を後にしたのでした。
私はそんな姿を見て、すっかりダルビッシュ投手のファンになりました。
おそらく彼だって、内心は悔しくて悔しくてたまらなかったはず・・
でもそれを表に出して痛々しく感傷に浸るのはプライドが許さなかったのでしょう。マウンドを下りてからの気丈な振る舞いこそが彼の真骨頂だったのかもしれません。
いつの頃からか、スポーツ中継に涙がついて回るようになりました。
勝っては泣き、敗れては泣くスポーツ選手に、泣き顔を逃すまいとするカメラマン・・
それを悪いとは言いませんが、私はやはりスポーツ選手には競技場を去るまで堂々としていて欲しいと思うのです。
超人的な技を競うスポーツ選手だからこそ、そうした美学があっても良いのではないでしょうか。
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