表紙とコラム Vol.240 | |
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真名川ダム麻那姫像(福井県大野市)
九頭竜川水系の真名川にある真名川ダムの少し上流に、金色に輝く麻那姫像があります。国道157号沿いの小さなスペースですが春は桜に彩られ、秋は紅葉が楽しめるスポットになっています。 |
角界では、出世の早さに髪の長さが追いつかない、前代未聞の「ちょんまげ大関」が誕生しました。恵まれた体格と規格外のパワーは大きな可能性を予感させ、角界の「大谷翔平」との期待を抱いてしまいます。 大の里は「唯一無二の力士を目指し、相撲道に精進する」と口上を述べました。他に類を見ない、もう現れないような力士になりたいと、既に「令和の大横綱」をイメージしているようにも思えます。 かつて、平成の大横綱、貴乃花は「横綱は勝って当たり前であるうえに、勝ち方や負け方が問われる。相手は自分の得意な取り口できて、横綱はそれを受け止めたうえで勝たないといけない。 また、負けた翌日はきっちりとした勝ち方が求められる」と言いました。そんな日々の繰り返しゆえ、精神的な負担が相当大きいと想像します。 また横審では「横綱に推薦する力士は、品格、力量が抜群である」と定めています。 かつての横綱の中には、勝ちに拘るあまりに、立ち合いに強烈な「張り手」や「かちあげ」をしたり、タイミングをずらしたり、俵一杯に下がったりと、首をかしげるような取り口が目立ちました。 また勝負が決まった後の駄目押しや、どうだ!と言わんばかりの態度、ガッツポーズには、伝統ある国技から品格が失われていく虚しさを感じました。 新大関は、礼儀正しく気がやさしいと聞きます。更なる高みのために、技を磨き、精神力を鍛え、相手を真正面から受け止め、ひるまず余裕を持って返すような堂々とした勝ち方を身に着けてほしいと思います。 そして力強さと品格を兼ね備えた、誰からも愛される横綱が、一日も早く誕生することを心より願っています。 |
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