表紙とコラム Vol.233 | |
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イカの駅つくモール(石川県能都町)
能登半島の九十九湾に巨大なイカのオブジェが出現して2年が経ちました。コロナ対策の交付金が使われたことと、今までに6億円以上の経済効果があったことで、2度に渡りニュースに取り上げられました。今では大勢の人に親しまれている「イカキング」です。 |
「神は細部に宿る」という言葉があります。細部へのこだわりが物事の本質を決めるという意味で、芸術や建築をはじめ様々な分野で使われています。 元サッカー日本代表監督の岡田武史氏もまた、日頃からその言葉を使っていたそうです。 「勝敗についてメディアや評論家は、決まって大上段に構えた戦術論、システム論ばかり言う。勿論、それも大事だが、勝負を分けるのは8~9割が選手の意識。『ミスしても大丈夫』とか『俺一人くらいいいだろう』とか、そういう選手が一人でもいたら試合に負ける。トレーニングもそう、細かいところまで追及してやらなければ、勝負の神様は決して味方してくれない」と。 今回のW杯で、サムライ達はそんな教えを実現するようなプレーをたくさん見せてくれました。 中でも、ゴールラインを割りかけたボールを折り返した三笘選手のアシスト、いわゆる「三笘の1ミリ」は世界中から注目されました。最後まで諦めずに、必死に伸ばした足先がラインギリギリでボールをとらえたプレーは、正に「細部」が勝利を呼びこんだ象徴と言えます。 「木を見て森を見ず」と言うように、局所的な出来栄えばかり追及して、全体のバランスを崩しては、なんにもなりません。しかし、細かいところで手を抜くと、全体として大雑把になってしまいます。つまり「着眼大局、着手小局」が大切だという事なのでしょう。 今年も一年、ありがとうございました。 良いお年をお迎えくださいませ。 |
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