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表紙とコラム Vol.231
国宝 高岡山 瑞龍寺(富山県高岡市)
国宝 高岡山 瑞龍寺(富山県高岡市)
高岡市を代表するお寺で、山門、仏殿、法堂の3つは国宝に指定されています。仏殿を囲むように回廊が山門から法堂へ続きます。 山門、仏殿、法堂は一直線に並び、ほかの建物も回廊で結ばれ、整然とした伽藍に、綺麗に刈り込まれた芝生の緑が映えます。

先日、父の一周忌を執り行いました。この一年は父の死を悲しむ間もなく、慌ただしく時が過ぎたような気がしています。

葬儀が終わるとすぐに銀行口座・各種カードの停止手続き、公共料金名義変更、そして準確定申告、遺産分割協議、相続手続き、不動産名義変更…、数々の手続きをしなければなりません。人は一生のうちに、とても多くの人と繋がり、とても多くの契約をし、地域社会に深く広く根を張って生きているのだと、つくづく感じました。

そして、それらの手続きが、父の張った根を一つ一つ剥がし、父の存在が徐々に希薄になっていくような気がして、儚く、辛い気持ちになりました。

ところで「人は二度死ぬ」という言葉をご存じでしょうか。
一度目は、医学的に死亡が確認されたとき、二度目は人びとの記憶から、その人が忘れられた時だそうで、つまり、記憶にとどめてくれる人がいる限り、たとえ死んでもその人の心の中で生き続けるということになります。

私の知人は、自分の誕生日に、必ず亡き母にメッセージを送るそうです。産んでくれた感謝と、母との想い出、そして現況報告をするのだと。今年は更にフォトアルバムを買い、母の写真をたくさんいれて、いつでも見ることができるようにと、リビングに飾ったと聞きました。大切な人のことを風化させず、二度目の死を迎えさせない決意なのでしょう。

酷暑の中、金沢ではこれからお盆(新盆)の時期を迎えます。今年は余裕をもってお墓の掃除をし、大切な人をゆっくり偲びたいと思います。

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