表紙とコラム Vol.198 | |
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先日、ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学名誉教授の本庶佑先生は、
研究者の喜びは「多くの人が石ころだと思って見向きもしなかったものを拾い上げ、10年、20年かけて磨きあげて、
それがダイヤモンドであることを実証すること」で、そのために教科書を信じずに「本当はどうなっているのか」という心を大切にすべきだと言っています。
ところで最近は、教科書を予習のみに使い、授業では使わないという教師も多いようです。
もう10年ほど前になりますが、父親参観で、芭蕉の一句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」を題材に、
作者が「しみ込む」を「しみ入る」に変えた意図を児童に考えさせる授業がありました。
「込む」「入る」という僅かな表現の差で、感じ方が違うことを、図を書いて、体を使って、また一生懸命言葉で...、
様々な形で表現する児童たちが、とてもイキイキとして見えたのです。
10年、20年の気の遠くなるような研究は「頑張る」だけではなく「夢中」にならないと続きません。 科学技術力の低下が深刻な問題となっている今、教科書を順番に教える授業ではなく、好奇心と探究心、 そして、石ころがダイヤモンドに成り得る!を実証する嗅覚を育むような教育が標準となるよう期待します。 |
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姥ヶ滝(石川県白山市) 滝が岩肌に沿って幾筋も流れ落ちる様が、白髪の老婆が髪を振り乱したように見えることから「姥ヶ滝」と呼ばれるようになりました。 白山白川郷ホワイトロード内にある駐車場から急な階段を降りて、遊歩道を進むと大きな滝が現われます。滝壺の前には温泉や足湯もあります。ホワイトロードは11月上旬まで通行できます。 |
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