DAIDO INFORMATION
表紙とコラム Vol.71
やわらぎの郷(宝達志水町)

先日、一軒のバーを訪れたところ、店内には真空管のアンプを使って音楽が流されていました。店主が言うには真空管で増幅した音は柔らかくてまるいのだそうです。

ラジオやアンプに真空管が当たり前に利用されていた時代を私は知りません。でも真空管しかなかったところにトランジスタ回路が出現したときの衝撃はものすごかったのだと聞いたことがあります。今のデジタル化以上の技術革新だったのでしょう。

ただ、時代とはおかしなもので、旧式のものが人々の記憶からすべて忘れ去られていくのかというとそうではありません。先のバーのように真空管は一部の愛好家によって大切にされているのです。

さて、SONYが今春、ブラウン管の生産を終了すると発表しました。
地上デジタルの波がテレビの受像機を薄型液晶に変え、今や厚みのあるブラウン管テレビは時代遅れなのだそうです。たしかに重くて場所もとるブラウン管方式のテレビを最近あまり見かけなくなりました。
でも「ブラウン管のヒーロー」や「ブラウン管をにぎわす」などと遣われ、長い間テレビの代名詞のようになっていたブラウン管が消えてしまうのは何だか寂しい話です。

真空管に根強いファンがいるように、ブラウン管にも「スイッチを入れたときのジーッというノイズ・・これがテレビなんだよなあ」などとしみじみ語る人が出てこないものでしょうか。

やわらぎの郷(宝達志水町)
能登の入り口、宝達志志水町にある「やわらぎの郷」は、櫻の名所として人気があります。 聖徳太子をまつる「太子堂」をはじめ、「山門」「鐘楼」などがあり、約1500本の櫻が咲き誇ります。 京都の三十三間堂をかたどった「やわらぎ堂」には人間国宝・故小島与一氏らの作品が展示されています。

<<前のコラム 次のコラム>>

戻る