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表紙とコラム Vol.59
卯辰山より(金沢市)

気象庁が予報用語の全面的な見直しを行うそうです。
予報用語といっても専門的な言葉ばかりではありません。見直しの対象には天気予報でお馴染みの「宵のうち」という言い回しも入っていると聞きました。午後6時頃から9時頃という正確な意味を把握している人が減ったのが理由だとか・・ 「宵のうち」が見直された場合、「夜のはじめころ」になる可能性が高いそうです。

でも、こうした言い換えには異を唱える人も少なくありません。
いくらわかりやすくなったとしてもそれでは情緒が失われてしまうというのが言い分のようです。たしかに薄闇の中で思わずそぞろ歩きしたくなるような日没後の空気感にはやはり「宵のうち」がふさわしく「夜のはじめころ」ではムードが出ないような気がします。
けっきょく天気予報というのは報道の要素が強い半面、「情緒」や「雰囲気」も重要視されるということなのでしょう。

「宵のうち」は間違って覚えている人が多いから「夜のはじめころ」に変更したいという理屈はわかります。

ただ、その一方で誤解されているのなら正しい意味はこうなのだと啓発する方法もあるのではないでしょうか。「宵のうち」というゆかしき日本語は天気予報から消してしまうにはあまりにも惜しい言葉のように思います。

卯辰山より(金沢市)
金沢の夜景と言えば「卯辰山」と言われるほど有名なスポットですが、昼間の卯辰山も金沢の街を一望でき、天気の良い日は日本海まで望めます。 「金沢の桜100景」にも選定された卯辰山公園はつつじや菖蒲、秋の紅葉など自然豊かな公園です。

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