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表紙とコラム Vol.26
ふくべの大滝

梅雨時は湿気を含んだ風が蒸し暑さを運び、じっとしていても汗がにじんできます。
こんなときに涼を与えてくれるのが氷・・・
見ているだけでも人心地つくものです。

ところで夏場の氷は何も冷凍設備が発達した現代だけのものではありません。
冬の雪を保存する氷室は仁徳天皇の時代から利用されていたといわれ、枕草子には削氷(けずりひ)と呼ばれる氷菓を宮中の貴族たちが味わうシーンが登場します。
ちなみに金沢では今も7月1日を「氷室の日」として祝う風習が残っていますが、これは藩政期、金沢から江戸の将軍家に氷を献上していたことに由来するもの・・・
遠路はるばる輸送されてくる氷は「加賀様のお雪献上」と称され、江戸の人たちにとって夏の風物だったといいます。

さて近年、観光目的でかつての氷室を忠実に復元させる動きが全国にあるようですが、スタッフの雪詰め作業に抜かりがあると、雪はあらかた溶けてしまうのだとか・・・
ハードとソフト、両方が大切なのは情報社会だけの話ではないようです。

白山スーパー林道(ふくべの大滝)
石川県の尾口村から岐阜県の白川郷までの33.3Kmを結ぶ「白山スーパー林道」は、6月初旬から11月初旬まで開通しています。
写真の「ふくべの大滝」はスーパー林道を代表する滝で、落差86mの大滝の前には駐車場やベンチもあり、写真撮影のスポットにもなっています。高くそびえる絶壁は見事なものです。

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