日程変更や無観客試合など、コロナ禍で心配されたプロ野球も無事シーズンが終わり、これからはストーブリーグに話題が移ります。

既に中日の大野投手、ヤクルトの山田選手が残留を表明しました。今後は巨人の菅野投手など、まだまだ多くの花形選手の動向が注目されますが、その一方で戦力外通告を受け、やむなく球界を去る選手が100人以上もいることをご存じでしょうか。

これまで選手との契約更改では「迷ったら残す」という各球団の方針でしたが、最近は比較的短期間で選手の能力を見極め、ダメなら即、戦力外、早いサイクルでチーム内の選手の入れ替えをしているようです。現に今年戦力外となった中には高卒2～3年の選手もいます。

幼い頃からの夢、プロ野球選手になった喜びも束の間、結局、華やかな舞台に出ることなく、まだ二十歳そこそこで球界を去ることに本人は勿論、御両親の心境を察すると胸が詰まります。 入団当時に語った大きな夢、期待してくれた親戚、友人、地元の人達、いろんなことが頭を駆け巡り、まだまだやれるのに何故？せめてもう一年...、暫くはそんなことを考え悩むのでしょう。

しかし、自分では決して諦められなかった野球人生に、球団が客観的に自分の伸び代を判断し、終止符を打ってくれる、そしてこれからの新たな人生へと背中を押してくれる、それが戦力外通告だと考えれば、決して残酷で悲しい事ではなく、むしろ自分の将来を真剣に考えてくれている温情と捉える方が正しいのかもしれません。

晴れ舞台での活躍は残念ながら叶いませんでしたが、彼らには野球にかけた情熱と野球で培った粘り強さがあります。新たなる人生、前向きにチャレンジしていただきたいと願います。