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表紙とコラム Vol.202
相倉合掌造り集落(富山県南砺市)

先日、知人が「遠方の大学に行った子供に電話をしてもラインをしても、 リアルタイムで繋がらないのは当たり前で返信すらこない。 ラインがきたと思ったら、金の相談だ」とボヤきながら話してましたが、久しぶりの連絡に胸を撫で下ろした様子でした。

それを聞いて、かれこれ40年くらい前にリリースされた”案山子”という曲を思い出しました。 「手紙が無理なら電話でもいい、”金頼む”の一言でもいい」。 声を聴きたい気持ちは勿論ですが、身の安全が確認できれば多くは望まない、という親の気持ちは今も昔も同じなのでしょう。

話は変わりますが、自分の誕生日に、母親に産んでくれてありがとう、と感謝を伝える人がいます。 また最近では、出産記念日おめでとう、と伝える人もいるそうです。 生まれた時の状況を本人が知る筈はありません。 一番覚えているのは陣痛の痛みに耐えて自分を産んでくれ、 生まれた喜びを最初に知る母親なのですから、確かに祝福を受けるのは、母なのかもしれません。

感謝の気持ちはあっても照れくさく、言葉にできない方も多いと思いますが、 素直に伝えたならば、しかもそれが誕生日なら、どれほど素晴らしいプレゼントとなるのでしょうか。

これから桜の季節をむかえ、多くの若者が親元を離れ、新たな世界に旅立ちます。 街に慣れ、人間関係に戸惑い、自己研鑽を積み重ねる毎日はとても大変でしょうが、 故郷には、いつもあなたの健康を願い、笑顔を待ちわびている親がいます。 用事がなくても声を届けることが何よりの親孝行になることを、忘れないでほしいと思います。

相倉合掌造り集落(富山県南砺市)
岐阜県白川郷と共に世界遺産に登録されている富山県五箇山地方には相倉と菅沼の2つの合掌造り集落があります。
最も北に位置する相倉集落には約20棟の合掌造りの家屋があります。 季節を問わず人気の観光スポットですが、雪を纏った姿は格別です。 年に数回のライトアップもあり、幻想的な佇まいも一見の価値があります。

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