プロ野球が開幕して1ヵ月が経ちました。今年の注目は何と言っても清宮選手、1軍での特大ホームランはいつ見られるでしょうか。

ところで野球中継といえばビール片手にテレビ観戦のイメージですが、私は昔からラジオ派です。

ピッチャー、ふりかぶって第3球を投げた、打ちましたー！大きい！レフトバック、そして見上げた～。カクテル光線に照らされたボールは◯◯ファンで埋め尽くされたスタンド中段に飛び込んだ！打ったランナーは右手を大きく上げてガッツポーズ！

抑揚ある名調子の語りは、プレーの情報を伝えるだけでなく、聴き手の想像力を掻き立て、球場全体の興奮冷めやらぬ臨場感を見事に写し出してくれます。
豊富な語彙力は勿論、数秒のワンプレイに反応する反射神経、一瞬先を即座に予測する能力があるからこそできる名人芸は、「野球中継はラジオが断然面白い！」と思わせてくれます。

しかし近年、プロ野球の視聴率が低迷して地上波の中継が減るにつれて、ラジオ中継もなくなる傾向にあります。現にTBSラジオが昨シーズン限りでプロ野球中継から撤退、他局も相次いで縮小する方向です。

かつて改札口で猛烈なスピードで切符にハサミを入れた駅員、札束を広げ正確に迅速に数えた銀行員、超高速でレジ打ちしたスーパーの店員...、時代の流れによって消えた職人芸は多々ありますが、プロ野球ラジオ中継のアナウンサーもまた、そうならないよう祈るばかりです。