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表紙とコラム Vol.182
越前朝倉戦国まつり(福井県福井市)

夢の舞台、甲子園を目指し、いよいよ高校野球地区大会が始まります。
野球に没頭し、厳しい練習に耐え、ライバルと競い合った日々、そして迎える大会前、運命の登録メンバー発表。
監督から名前を読み上げられ、歓喜して背番号を手にする選手の一方で、落選した3年生の高校野球はそこで終わりを告げます。
もっとアピールできていれば...、あのケガさえなければ...。
様々な理由で自分を責め、涙する姿。
この後、彼らはどんなモチベーションで大会を迎えるのか、考えただけで胸が熱くなります。

先日、「引退試合」という新聞記事を目にしました。
数年前から強豪校を中心に「夏の風物詩」として定着しつつあるそうですが、メンバー入りできなかった3年生が他校の同選手と「最後の夏」を戦うのです。
この日ばかりはレギュラー選手が荷物を持ち、練習準備のサポートをし、応援にまわり、背番号のない選手の両親とともに仲間の最後の試合をしっかり見届けます。
勿論、この試合を楽しみにしてた選手などいないと思いますが、叶わなかった夢に一つの区切りをつけることで、本大会へのモチベーションが保たれ、チームに団結力が生まれるのでしょう。

しかしこれを「引退試合」というにはあまりにも空しく、きたる本大会への士気を上げる「開幕戦」という方が相応く感じます。
本大会という晴れ舞台の陰に、目立たぬも感動的な物語があるからこそ、本大会には数多くの感動が生まれるのかもしれません。
この夏も各地で熱戦が繰り広げられることを楽しみにしています。

越前朝倉戦国まつり(福井県福井市)
戦国時代、103年に渡り越前の国を支配した朝倉氏の遺跡は、武家屋敷・寺院・町屋・職人屋敷・道路も含めた街並みがほぼ完全な形で発掘された城下町の遺跡です。
毎年8月には朝倉氏の栄華を再現した戦国時代行列や多彩な催しが行われます。
祭りの夜にはキャンドルで遺跡を彩る「越前朝倉万灯夜」も開催されます。

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