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表紙とコラム Vol.179
雪の大谷(富山県立山町)

今年、日本一早くソメイヨシノの開花宣言が出されたのは東京でした。
都心の桜が九州や四国など南国に先行するのには少し違和感がありますが、これが初めてというわけでもないそうです。
これからは桜前線が規則正しく北上するのではなく、全国でゲリラ的に開花争いが繰り広げられる・・・そんな具合になるのかもしれません。

30年くらい前、私は東京に住んでいましたが、これくらいの時期になるとシートやござを抱えて電車に乗り込む新入社員を大勢見かけました。
企業がまだ大量に新入社員を採用していた頃で、新人を研修で小部屋に押し込めておくよりも花見の場所取りに使った方がよほど社のためになると考えたのでしょう。
暢気な時代だったと思います。
今、そんなことをうかつに命じれば、やれパワハラだ、ブラック企業だと騒がれかねません。
花見の場所取りにさっそうと向かう新入社員など、もう絶滅してしまっているのではないでしょうか。
そういえば花見の誘いもSNSなどを通じて行われるようになりました。
一人一人に都合を尋ねて回ったのはもうすっかり過去の話です。

桜の美しさは永久不変でも開花状況や花見風景は今世紀に入ってからずいぶんと変化しました。
唯一昔と変わらないのは、花見宴会と称しながら桜を本当に観賞している人は全体のほんの一握りに過ぎないということくらいでしょうか。

雪の大谷(富山県立山町)
富山県の立山町から長野県の大町を結ぶ山岳観光ルートである立山黒部アルペンルートは4月15日に全線開通の予定です。
雪の大谷は、室堂周辺の除雪でできる約500mほどの雪の壁です。
特に積雪の多い箇所のため、雪の壁の高さは20mに迫ることもあります。
今年は6月22日まで車道の片側を歩行者用に解放します。

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