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表紙とコラム Vol.110
花はす公園(福井県南越前町)

旅をしていて戸惑うのはホテルのベル係が女性だったときです。笑顔で部屋まで案内してくれるのは良いのですが、やはり荷物の運搬を女性に任せるのは気が引けます。が、かといって申し出を断るというのもベル係のプライドを傷つけているようで落ち着きません。けっきょくいつも悩んだ末に荷物を託すのですが、彼女たちのプロに徹した働き振りには感心させられることもしばしばです。たとえばどんなに重いトランクでも、抱きかかえるようにして大切に運ぶ姿には清清しさを覚えてしまいます。

ところで旅行の荷物といえば、最近キャスターのついたキャリーケースを利用する人が増えましたが、私はあれが好きではありません。いかにキャスターがあるとはいえ、荷物をぞんざいに引きずりまわしているように映るのです。それにあの無遠慮なガラガラという音も愉快ではありません。

先日も駅のコンコースで轟音がして振り返ると、高校生くらいの修学旅行の一団でした。何十人という高校生が一斉にキャリーケースを引いていたのです。
はたして学生の修学旅行程度でキャスター付きの大きなキャリーケースが必要なのでしょうか。それよりも若い世代には荷物を大事に扱いながら移動することを学んで欲しいと感じます。
だらしなくキャリーケースを引きずる学生たちを眺めながら、私は懸命にゲストの荷物を運ぶ女性ベル係の姿を思い浮かべていたのでした。

花はす公園(福井県南越前町)
福井県の南越前町は、花はすの生産日本一を誇ります。 世界の花はすを集めた園内には、108種類もの花はすがあり、毎年6月下旬から8月上旬にかけて、白やピンクの花はすで園内は彩られます。 2011年は7月2日から8月7日まで「はなはすまつり」が開催されます。

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