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表紙とコラム Vol.44
金沢城石川門(金沢市)

日本語がブームだといわれるようになってずいぶんたちます。 語源や正しい遣い方について解説する本やテレビ番組は相変わらず人気で、 母国語への関心の高まりはあながち一過性のものともいえないのかもしれません。 ただし日本語に目が向いているといっても、奇妙な言い回しがいっこうに減っていないのも事実・・  たとえば私などは「犬にごはんをあげる」という言い方にどうにも違和感を持ってしまいます。 やはりペットといえど人間と動物を同格にするような言葉遣いはおかしいのではないかと思うのです。 彼らが食べるものは「エサ」であり、それに呼応するのは丁寧語の「あげる」ではなく「与える」「やる」が正しいのではないでしょうか。

しかしそんな私の意見にある若者は「今やペットは家族の一員として考える時代だから・・」などと反論します。 たしかに少子化の進む日本で人とペットとの距離は急速に縮まってきました。あるデータによると、 犬やネコの飼育数は現在、15歳未満の子どもの人口を上回っているといいます。 かくいう私も動物は大好きですから、ペットを我が子のように可愛がる飼い主の気持ちはわからなくはありません。 けれどもその一方で動物に人格を与えてしまったような物言いはやはり行き過ぎに感じます。

来年は戌年、人間とペットとの正しい関係について考える契機にしてはどうでしょう。

金沢城石川門(金沢市)
金沢城公園の入口の一つ、石川門は1788年に再建されました。 金沢城は1602年に落雷により天守閣を焼失してから天守閣は再建されませんでした。 その後1631年、1759年と火災にあい、城のほとんどを焼失してしまいました。 平成13年に菱櫓や五十間長屋などが復元され、今日の金沢城公園になっています。

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