先日、小松市の安宅住吉神社に行ってきました。 歌舞伎「勧進帳」の舞台として知られる安宅の関址から松林を抜けると見えてくるこの神社は、全国で唯一難関突破のご利益で有名です。 やはりそれは、都を追われた義経が弁慶の機転によって通関を果たした「勧進帳」の名場面にあやかってのことなのでしょう。 私が出かけた日も境内には受験生とおぼしき若者の姿がありました。 冬の日本海を背に、神妙に手を合わせる彼らの顔つきは皆真剣そのもの・・ 私には、そのまなざしが決死の覚悟で旅を続けた弁慶、義経の表情に重なって見えました。 行く手に立ちはだかる困難を打ち破ろうとする者の姿は、いつの時代も人の胸を打つものです。 「負けるなよ」「ガンバレよ」 厳しい季節を越えていこうとする人たちに、私は心の中でエールを送っていました。